毎日研究を楽しんでいます
- 卒業生
名古屋工業大学工学部 物理工学科 助教
経歴
2011年3月:応用マテリアル工学コース 卒業
2013年3月:大学院工学院 材料科学専攻 修士課程修了
2016年6月:大学院工学院 材料科学専攻 博士課程修了 博士(工学)
組織制御学研究室
応用マテリアル工学コースを選んだ理由
もともと「マテリアル」という言葉がカッコいい!と思って応用理工系学科を選んでいたこともあり、応用マテリアル工学コースには興味がありました。また、配属される人数が多すぎず少なすぎず(当時は応用化学が80人、応用物理が35人、応マテが40人程度でした)こじんまり楽しくやっていけそうに感じた、という理由で選ばせていただきました。
大学在籍時の研究テーマ
学部から博士後期課程まで、熱間押出プロセスを使って、成形とともに純Al被覆をすることでMg合金の耐食性を改善する「熱間押出法によるMg合金のAl被覆」という研究をメインで行っていました。ただ、修士・博士後期課程においては、押出プロセスを中心とした塑性加工を利用した様々な複合材料の開発・組織制御に関する研究に携わらせていただきました。たとえば、Al-Si合金に不純物として存在するFe由来の介在物を強加工プロセスで微細化・無害化する研究や、Al・Cu粉末に炭素繊維を配向させて高い熱伝導率を有する複合材料の開発研究なども行いました。
現在の研究テーマ
現在は、名古屋工業大学・工学部・物理工学科(材料機能分野)で助教として働いており、大学での金属材料に関する研究と教育をお仕事にしています。研究テーマとしては、現在は構造材料の組織制御を通じた力学特性制御についての研究を行っています。対象としている材料は幅広く、鉄鋼材料をはじめとして、Al、Mg、Cuなどの合金、Ti基高エントロピー合金など様々な金属を対象としています。強度と延性を両立する材料の開発、そしてその変形メカニズムの解明を目指して、光学・電子顕微鏡、結晶構造・結晶方位解析を駆使した組織制御に取り組んでいます。学生の子たちと一緒に毎日研究を楽しんでいます。
組織制御学研究室の「ここがスゴイ!」
私が所属していた当時は、電気炉や押出装置を含む多くの装置が手作りであったという点がスゴイ!ポイントの一つだと思います。実際に自分で手を動かして作った装置は原理もわかりますし、何より愛着が湧いて実験自体も楽しくなりました。また、組織制御学研究室では実験と計算の両方の研究を行っていたため、同じ研究対象に対しても多角的な視点で取り組むことができていた点もスゴイ!と思います。実験系・計算系のテーマの枠を超えて、同期の仲間とはそれぞれの課題を話し合うことで多くの学びと気づきを得ることができ、楽しい研究室生活につながったと思います。
北大での学生の学びや経験
北大の自由な校風が私にはとてもあっていたため、北大在籍時はのびのびと部活に遊びに研究にと、たくさんの経験ができました。特に私は海外留学に興味があったため、研究室配属後にシンポジウムやインターンシップなどで海外に行くチャンスを多くもらえたことは私の人生の大きな糧となっています。中でも、私は博士後期課程で、ダブルディグリー制度を利用してポーランドのAGH科学技術大学で研究活動を行う機会を得ました。AGH科学技術大学の先生方や当時の仲間とは今でも交流があり、現在の研究の発展にもつながっています。
進路を考え中の皆さんへのメッセージ
何でもやってみる精神で
自分の好きがたくさんあって迷っている、好きなものが特にない、などで進路に悩むこともあると思います。そういう時は、私は何でもやってみる精神で進んでみたら良いのではないかと思います。正直なところ、私は明確な目標があって応マテを選んだわけではないですし、他の分野の研究をやっていても楽しく続けられたのでは?と今も思います。ただ、何事も一生懸命やってみないと面白さはわかりません。進んだ先でまずはひたむきにやってみる、そして自分が面白いと思うことを見つけていくことができれば楽しい毎日が待っているはずです。「何でも興味をもってまずはやってみる」試してみてもらえたらいいなと思います。
