マテリアルの声

自分でも想像していなかった未来に出会えるかも

  • 教員
米田 鈴枝 先生

専門研究の紹介

自転車や看板など、金属材料が錆びて腐食してボロボロになっているのを目にしたことはありませんか?発電ボイラーや航空機エンジンのような500℃をはるかに超える高温で運転される機器でも、同様に金属材料は酸化・腐食によって劣化してしまいます。そのため、こうした高温過酷環境でも長時間使用できるように金属材料を保護する技術が求められています。私は高温環境における金属材料の耐高温腐食性の向上を目指した基礎研究や新しい耐熱合金の開発に取り組んでいます。

応用マテリアル工学コースの魅力

社会の課題解決に役立つ“実学”

本コースでは、「マテリアル(材料)」の中でも主に金属材料について学びます。金属材料は、私たちの身の回りの製品から最先端技術まで、あらゆる分野で使われていて、金属の性質は、元素の組み合わせ、加工方法、熱処理、そしてミクロな構造などよって大きく変化します。それらを理解して活用することでより優れた材料を生み出すことができます。

社会の課題解決に役立つ“実学”として学べる面白さが本コースの魅力です。自動車や航空、エネルギー、さらには宇宙まで、幅広い業界で活躍できるチャンスが広がっています!

先端高温材料工学研究室の「ここがスゴイ!」

耐熱合金には耐高温酸化・腐食性だけではなく、優れた機械特性や組織の安定性なども求められます。先端高温材料工学研究室では応用マテリアル工学コースで学ぶ材料熱力学や材料組織学、強度学などの知識を活かし、多角的な視点から耐熱合金の高温酸化・腐食性を探求しています。

耐熱合金が使用される環境は温度や雰囲気(ガス成分)など多岐にわたるため、各研究内容に特化した装置を製作し、“自分の装置”で自分のペースで実験に取り組むことができます。合金開発を目指した研究では、開発した合金の性能を実機で検証するなんてことも稀にあります。

「ちょっと1回低温で実験してみようか!」という時の“低温”が500℃・・・そんな感覚が普通になるのが先端高温材料工学研究室です!

担当授業の紹介

現在は主に、学部3年生を対象とした「材料工学実験」を担当しています。この授業では1年間で8つのテーマに取り組みます。たとえば、自分で金属材料を研磨して組織を顕微鏡で観察したり、各種機器を用いて強度や耐食性を評価したりと、金属材料の特性を実際に確かめます。班ごとに実験を進める場面もあり、学生同士の交流が深まるのも学生実験ならではだと思います。

また、今年度からは大学院の講義を一部担当予定です。この講義は私の専門分野である「高温酸化・高温腐食」に関する内容です。金属材料の高温環境でのふるまいについて興味がある人は、ぜひ大学院で一緒学びましょう。

進路を考え中の皆さんへのメッセージ

金属材料は普段あまり触れることのない分野なので、なかなかイメージが湧かない方も多いかもしれません。でも、少しでも「金属って面白そう」、「ものづくりに関わってみたい」と感じたなら、応用マテリアル工学コースはおすすめです!

知らなかった世界で、自分でも想像していなかった未来に出会えるかもしれません!

2025-08-25