安心して成長できる環境
- 在校生

大学院工学院材料科学専攻博士課程1年生
経歴
2023年3月 応用マテリアル工学コース卒業
2025年3月 大学院工学院材料科学専攻修士課程修了
環境材料学研究室
応用マテリアル工学コースを選んだ理由
すべての製品にはその原料となる「マテリアル」が存在する
「マテリアル」を極めることで、将来あらゆる分野で活躍できると考えたためです。私はもともと好奇心が旺盛で幅広いことに興味がありました。高校での探究活動を通じて、環境保全に貢献する仕事に就きたいという漠然とした思いがあった一方で、大学進学時の進路選択では非常に悩みました。環境にやさしい製品について考えたとき、すべての製品にはその原料となる「マテリアル」が存在することに気づきました。材料の機能性を向上させる多様な手法を学ぶことで、モノづくりを根本から革新することに貢献できると考え、本コースを選びました。
現在取り組んでいる研究テーマ
私は現在、研究室のメンバーと協力して、宇宙環境における水電解技術の最適化に取り組んでいます。月面基地などの閉鎖系環境では、水素を効率よく生成・再利用することが求められ、水の電気分解はその中核を担う技術です。重力が地球上とは異なる環境でも安定して動作する電解セルの構築に向け、水電解セルの性能評価を進めています。さらに、水電解は水素同位体を分離・濃縮する技術としても注目されています。水素同位体は、次世代の発電技術である核融合の燃料として期待されている材料です。これらの研究を通じて、持続可能な社会の実現に向けたエネルギー技術の確立を目指しています。

環境材料学研究室の「ここがスゴイ!」
本研究室では、次世代エネルギーとして注目される水素や、身近な金属であるアルミニウムのリサイクルなど、電気化学に関する最先端の研究に取り組むことができます。エネルギー問題や資源循環といった社会的課題に興味がある方には特におすすめです。また、学生同士の雰囲気も良く、先輩が丁寧にサポートしてくれるため、研究に不安のある学部生でも安心して成長できる環境が整っています。


北大での学生の学びや経験
国際インターンシップでの貴重な経験
私は学部3年次に、北海道大学が実施する留学プログラムの一つである「国際インターンシップ」に参加しました。インターン先には、ヨーロッパに拠点を持つ電子部品メーカーを志望し、約1週間の就業体験を行いました。実際に販売されている製品の設計や材料選定について現地の方々から教わり、企業がSDGsと技術革新をどのように両立させているか学ぶことができました。特に印象的だったのは、ヨーロッパでは環境保全への意識が非常に高く、シェアリングエコノミーの普及に伴って企業戦略も柔軟に変化していた点です。最新の技術、各国の環境政策、経済情勢などを総合的に捉え、「持続可能なモノづくり」について多角的に考える貴重な経験となりました。
進路を考え中の皆さんへのメッセージ
本コースでは、「マテリアル」に関わる物理や化学の分野を幅広く学ぶことができます。まだやりたいことがはっきりしていないという方も、学んでいくうちに興味を持てる専門分野がきっと見つかると思います。また、「マテリアル」の開発に必要不可欠な材料科学は、スマホやパソコンなどを扱う半導体業界から、自動車・航空機といった金属業界、さらにはエネルギー・インフラ業界の基盤を支える学問です。物理や化学を活かして、モノづくりの根幹となる部分の仕事をしてみたいという思いがある方には、とてもおすすめのコースです。