マテリアルの声

未来をつくる新技術開発に挑戦してみませんか?

  • 在校生
松宮 竜海 さん

応用マテリアル工学コースを選んだ理由

用途によって適材適所に選定される材料

私は、応用マテリアル工学コースへの進学前は高専にて機械システム工学を学んでいました。その際に講義のなかで機械材料学について学ぶ機会があり、日常の様々なところで使われている材料は、用途によって適材適所に選定され、その組織も技術者によって意図をもって作りこまれていることを知りました。高専在学時から自動車業界への就職を志望していたこともあり、車の性能を引き出すためにどのような理論をもとに世の中で材料が使われているのかを知りたいと思い、応用マテリアル工学コースへ編入学することを決めました。

現在取り組んでいる研究テーマ

私は、現在Al合金におけるミルフィーユ構造とキンク強化をテーマとして研究を行っております。文字通り、ミルフィーユのような層状構造をもつ材料に変形を加えるとキンクと呼ばれる折れ曲がった変形帯ができ、これができることによって材料が強化されるというものです。このキンク強化は熊本大学の河村らによって半世紀ぶりに見つかった新しい強化方法であり、この原理解明が進められています。また、修士に進学してからは田中貴金属工業(株)様との共同研究を開始し、半導体製造に用いられる高純度ガラス製造容器の耐熱性や高強度化を目指した貴金属基合金の開発も行っています。いずれのテーマも実際に現場で使うことを最終目標とした研究で非常にやりがいを感じています。

貴金属基合金の要求特性と合金設計方針

強度システム設計研究室の「ここがスゴイ!」

私の所属している強度システム設計研究室の最大の特徴は、メンバーそれぞれが自分の専門性を高め、ゼミや報告会ではお互いの研究を通して知識を共有することで研究者としての考察力やディスカッション能力が鍛えられるところです。ある人は組織学や状態図、ある人は熱力学計算や相平衡といったように一人一人が自分のテーマに近い分野に精通していることから、何か壁にあたったときには相談できる頼れる先輩が必ずいます。スタッフの先生方も教育熱心で、分からないことが分からないまま、にはならない非常に成長できる良い環境が整っている研究室だと思います!

北大での学生の学びや経験

私は家庭の事情から学資の支弁が困難で大学に通うことは厳しい状況でしたが、これまで国や民間の財団様(公益財団法人富山文化財団様、一般財団法人フソウ育英会様、公益財団法人鹿島育英会様、公益財団法人カナモト財団様)から給付奨学金によるご支援をいただき、学業に励むことができています。この場をお借りして感謝申し上げます。私のように金銭的事情で進学が難しい方も、このような支援制度があることをぜひ知っていただきたいと同時に、目標や夢があるなら、どうかお金を理由に諦めないでほしいと思っています。

応マテでは、努力する姿をしっかりと見て評価してくれる先生方のサポート体制も整っており、編入学後熱心に学業に励んできたことを評価していただき、学部卒業時に日本金属学会・日本鉄鋼協会奨学賞と2024年度北海道大学工学部長賞を受賞することができています。

進路を考え中の皆さんへのメッセージ

「進路」という言葉を聞くと、将来どうしたいのか、どんな会社・業種で仕事をするのかなど考えることが数多くあり嫌な気持ちになることもあるかと思います。応マテでは幅広く知識を習得し、技術者・研究者としての素養を身につけ、私の志望する自動車メーカーから、素材メーカーや建設機械、プラントエンジニアなど様々なフィールドで活躍している先輩たちが数多くいらっしゃいます。応マテで学べる材料工学で、未来をつくる新技術開発に挑戦してみませんか?あなたが活躍できる、活躍したいと思える出会いがきっとあると思います!

2025-08-25